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夢中になって追いかけてた唇は、小さな水音と一緒に ゆっくりと離れていった。 ほんの10センチの距離、富田の顔がいつもよりも男らしく見えるのは、唇を重ね合わせたせいなのか。 それとも、今、この甘い空間がそうさせてるのか。 普段見た事もない、男の顔をした富田にドキリと胸が一つ高鳴った。 あたしは、慌てて富田の首に回してた手を、パッと振りほどいた。 「……まこ…」 「…ん?」 「まこ…」 「何?」 ねー、富田、なんでそんな顔してんの? あたしさー、あんたのキス好きみたい。 なんて、絶対に口にはしないけど。 「まこー」 「まこまこ、うっさい!!」 大きい声を出したあたしに、富田はフッと笑う。 「何笑ってん…アッ…ちょっ…ヤッ…」 あたしの首に唇を這わせながら、服の上から荒々しく胸を撫で上げた。 .
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