日常

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あの夜、富田の眠るベッドにそっと潜り込んで眠った。 目が覚めると、隣に眠っていた筈の富田の姿はなくて。 テーブルの上に置かれた紙切れ。 ゛ポストに鍵入れとく ″ レシートの裏に、乱雑な字で書かれたそれを 丸めてゴミ箱に投げる。 少し気だるい身体を もう一度ベッドに預けると、また深い眠りについた。 あれから1ヶ月、あたしと富田は また何もなかったかのように、日常を過ごす。 前と同じよーに普通に会話をして、一緒に煙草を吸って、飲みに行って。 唯一 変わったのは、身体を重ねるようになった事。 突然、富田があたしの家に酒を持ってやって来たり、飲みに行った後 富田の家に持ち帰られたり。 富田は、あの日から あたしのプライベートな事を聞かなくなった。 .
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