日常

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金曜の夜、三十路手前の独身女が飲みに行く場所なんて限られる。 やっぱり辿り着くのは、いつもの居酒屋。 「まこは?」 酒飲んだら…麻酔切れるかな? ま、いっか、痛み止め飲めば。 「ビール」 あたしの頭の中は、今期のセールの事でいっぱいだ。 昨日まで定価だったそれが、今日から半額なんて、ホントにバカげた話し。 正直、゛darling ″ は安くはない。 生地だって、縫製だって、妥協はしたくないから、そうすると それなりに値段も張る。 それでも、その一着を手にして買ってくれたお客さんに喜んでもらいたい。 流行りだけでワンシーズン着回して終わり…なんて心底寂しい。 少しでも長く着て欲しいと思うし、その人がクローゼットを開けた時、自然に手が伸びる服でありたいと願う。 きっと、こっち側の人間はみんなそう思ってる。 「…こ、ちょっと、まーこ!!ビールきたよ」 「あ、ごめん、お疲れー」 .
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