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「なー、まだ痛いの?」
ベッドのスプリングがギシッと鳴ると同時に、富田の顔があたしの視界に入る。
「痛い」
「そっか」
言いながらベッドに腰かけた富田の背中を見つめた。
あー、さっきの顔、シようと思ってた顔だ。
前に1度、酔って連れて帰られた時、月1のあれのせいで出来なくて、さっきみたいな顔をした富田。
あの時の顔と 今も同じ顔。
「いーよ? 痛いの忘れるくらい、気持ち良くさせてくれんなら」
言ったあたしに、富田は振り返って少し笑う。
「いーよ…痛いんだろ?」
「まー、痛いけど」
「今日は寝ろ」
「じゃあ帰るわ」
起き上がって、ベッドから抜け出して帰ろうとするあたしの腕を掴んで。
「酔ってんだから、ここで寝てけ」
「は?近いから」
どんなに酔ってたって、ここからの帰り道くらいは解る。
「あー、いーから、寝ろって」
掴んだ腕を引っ張って、ベッドに戻された。
なんかよくわかんないけど…いっか。
たまに、富田は少し強引な時がある。
疲れていて『今日はもうシたくない』そう言ったあたし。
その日は、自分を刻み付けるみたいにあたしの身体を抱いて、玩具のように扱った。
「はいはい、わかりましたよ ご主人様」
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