偶然

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「せっかくの金曜の夜、お前の為に空けてやるから。今日飲みに行くぞ!!」 「はぁ?別にわざわざ空けてくれなくて結構。あたしも暇じゃないから」 いつものお決まり、嫌味を並べて返す返事。 「あ、やっべ時間だ。お前、中川にも声掛けとけよ!!じゃっ、いつものとこで!!」 「ちょっ…富田っ…!!」 なんだかんだ言って、富田と話すのは気が楽で居心地は悪くない。 酒に酔って、熱くデザインの事を愚痴るあたしに、いつも あーやって理解してくれる。 デザイナーとしては、唯一あたしが尊敬する人かもしれない。 まぁ、そんな事、口が裂けても本人には言わないけど。 それにしても、富田ほどの男がどうして彼女が出来ないのか…? それが、今一番の気になる所。 まぁ、性格はあんな感じだから誰とでも上手く付き合えると思う。 顔は……中の上ってくらいか? 服が好きなだけあって、センスも良いし。 もしかして………実は男が好きとか? ハハハッ…今夜、飲んだ時にでも聞いてみよう。 .
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