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「お前、今日空いてるだろ?」
確実に空いてるだろうと前提で、投げ掛けられる言葉。
あたしは、それに溜め息を織り混ぜて返す。
「あー、今日は無理」
「は?飲み?」
「違う、デート」
あれから、遥君とは治療以外で会ってない。
たまたま、あたしが忙しかったのもあるけど。
今朝、電車の中で届いたメール。
『まこちゃん、会いたい』
何だか、読んだこっちが恥ずかしくなるよーな台詞。
でも、そのストレートな所が少し可愛く思えた。
『今日、夜暇だけど会う?』
特に予定もなかったし、昨日の夜、富田とはシたから今夜はないだろーな、なんて勝手に考えた。
『会社に７時に迎えに行くよ』
１分も経たずに返ってきた返信に、少し顔が緩んだ。
「歯医者…?」
「そー、歯医者。そーゆー事だから、じゃあね」
言いながら手を上げて、自分のフロアに足を早めた。
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