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「お疲れー」
居酒屋に辿り着けたのは10時過ぎ。
「まこ、お疲れー!!ビール?」
「うん、ビール。あー、煙草吸いたい」
デニムのポケットから出した煙草の箱は、ぺしゃんこに潰れてた。
中を覗くと、2本の折れた煙草。
あーあ、もったいなー。
「ねー、煙草ちょーだい」
隣に座って携帯をいじってる富田に声を掛けると、画面に視線を向けたまま。
「あー、勝手に吸って」
何だよ、お疲れーの 一言もない訳?
そんな事を考えながら、富田の煙草に手を伸ばした。
「じゃ、遠慮なく」
「ねーねー、まこ!!富田さ、女出来たっぽいんだよね」
富田が携帯を持って店の外に出て行った後、和美は身体をテーブルの上に乗り出して、あたしに言った。
「ふーん…だからか…」
「え?まこ、あんた知ってたの?」
「や、何でもない…こっちの話し」
ここ2週間、忙しかったのもあるけど、富田とは…シてない。
違う 玩具、見付けた?
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