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あたしに気が付いた富田と視線がぶつかった。
「松岡…」
「よっ!!」
あたしは、右手を軽く上げて、笑って見せた。
「お前…」
何か言おうとした富田の言葉を遮って。
「良かったじゃん、彼女出来て。邪魔者はさっさと消えまーす!!じゃーねー」
踵を返して 歩き出す。
あたしと、富田は、始めからそーゆー関係。
歩けば15分、走れば5分で着いてしまう距離。
子供の頃から、足が早かったなんて自慢にもならないけど、今は…良かった。
部屋のドアを開けて、玄関に座り込む。
「ハァ…ハァ…ハァ…ッ…」
バクバクと太鼓を叩くあたしの鼓動は、全速力で走ったせいにしておこう。
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