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ふわふわの猫っ毛。
すらっと長い手足。
整った顔立ちに、切れ長の瞳。
プラス、勉強も運動も出来る才色兼備。
無愛想で近付きにくいけど、誰もがその甘いマスクで自分への愛を囁いてくれることを夢見る……らしい。
そんな人、が今私の目の前にいる。
そして。
「……」
「……」
「……い、いま、なんて?」
凄く綺麗な顔立ちにまばたきをするのを忘れるくらい魅入っていたのは認めます。
そんな人に呼び出されて、もう二度とお話なんて出来ないかもなあ、とか考えていてぼーっとしていたのも。うん、認める。
けど……あれ?
私、耳でもおかしくなっちゃったのかな?
だってそうじゃないと、おかしい。
なんか、今――。
「付き合ってほしいんだけど」
そうそう。
“付き合ってほしいんだけど”って……。
……。
「……、え、ええ!?」
頭の中で目の前にいる彼――黒川(くろかわ)くんの言葉に目を見開いた。
え、や、え?
聞き間違え……じゃ、ない?
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