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「……う、うそ」
少しの沈黙の後、聞こえた自分の少しかすれた声。
多分、今の私は間抜けな顔なはず。
だって。
「な、なんで」
「何?」
「なんで、私……なんですか?」
黒川くんみたいな人が、私なんかに。なんて。
絶対おかしい。
え? なにこれ、ドッキリ?
顔を上げると、端正な顔立ちの黒川が見える。相変わらずのポーカーフェイスだ。告白をしているというのに。
そして、黒川くんの瞳の中には、これといって特徴のない私。
不細工とも、可愛いとも言われない平凡な顔立ちの私が写っている。
「……」
……なんで。
なんで、私なんだろう。
答えをせかすように黒川くんの瞳をじっと見ていると「あー」黒川くんは、少し考えるようにそんな声を出して。
「……中川のことが、好きだからじゃない?」
なんて。
「っ、」
顔が赤くなったのがわかった。
い、いきなり、何を言い出すんだ。黒川くんは。
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