僕の読書感想文

ハサミ男

■感想

　某有名巨大掲示板で、お勧めの推理小説といった類のスレッドが立つと、きまって本書の名前が上がります。はじめは、なんだかパッとしない題名から、無意識のうちの避けていたのかもしれません。
　ある日、本屋に入ると、いきなりこの本が目に入り、折角だから読んでみようと思い購入にしたのでした。あの日の自分を褒めてあげたいです。それほど面白かった！

　物語は、ハサミ男の一人称で綴られるパートと、刑事達を中心に三人称で綴られるパートの、二つのパターンで進んで行きます。はじめのうちは、ハサミ男の独特の語り口に、若干抵抗があったのですが、読み進んでいるうちの全く気にならなくなりました。
　物語の終盤で、ハサミ男の正体がわかったときには、真犯人が誰かわかったときよりも衝撃が走りました。ミステリ初心者の私には始めての感覚でしたね。
　間違いなくもう一度読み返すと思います。今度は、全てを知っている状態で読むことによって、新しい発見ができる事を今から期待しています。

　次の作品は、湊かなえ　作　『告白』です。