永吉のひとりごと

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「永吉に会いたい?」 女の子は、目を輝かせて俺を覗き込んだ。 「また、会いたい…だけど今度はいつ外出できるか…」 女の子の顔が曇った。 「家、近くなら連れて来てやっても構わないけど?」 「ありがとうごさいます。だけど私が今居るのあそこなんです。」 そう言って、すぐ近くの大きな総合病院を指差した。 「もしかして…入院中?」 男が尋ねると、黙って女の子は頷いた。 「病院かぁ~」 男はしばらく考えた。 「病院の中庭くらいだったら出てこれるだろ? 連れていく前に連絡入れてあげるから、携帯教えてよ。」 「いいんですか?」 女の子はポケットから携帯電話を取り出した。 連絡先を教えあって、男は初めてサングラスを外した。 オッサンかと思っていた俺は少し驚いた。 若いじゃん!優しそうな目元を見て、俺も大事にしてくれそうで安心した。 「俺は、ヒロ。隣町でバイク屋やってる。」 女の子に自己紹介。 それにこたえるように 「私、ふーこ。ほとんど病院暮らし。学校行ってたら高校二年生だけど…」 「ふーこちゃん、じゃぁまた。永吉大事にするから…」 そう言って俺を懐に入れると、メットをかぶりサングラスをかけ直し、バイクにまたがった。 ありがとう🐱俺はヒロさんの体の温もりに包まれ生きていられることに感謝した。 俺は今日から永吉として生きていく。 ヒロさん、なんか…カッコいいじゃん! 今日から俺はヒロさんを兄貴と呼ぶことにした。
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