永吉のひとりごと

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ふーこちゃんがいよいよアメリカに行く前日。 夜、兄貴は俺を連れ出した。 どこにいくのかな~ 今日は七夕。 夜空に満天の星☆ 「永吉!静かにしてろよ!」 ここは、ふーこちゃんが入院中の病院。 コッソリとふーこちゃんの病室に忍び込む。 「ふーこ!」 そっとふーこちゃんを起こす兄貴。 「ヒロさん!」 ビックリするふーこちゃんに、口の前で人差し指をたてる。 「今から、永吉の誕生パーティーしよう!」 兄貴は、ふーこちゃんの手を取って病院を抜け出した。 「しっかり捕まってるんだぞ!」 ふーこちゃんにメットをかぶらせバイクの後ろに乗せた。 俺は、ずっと兄貴の懐の中。 2人が出会った河川敷に着いた。 そうか、今日は俺の誕生日。 「永吉!誕生日おめでとう!」 ふーこちゃんは兄貴の懐から俺を引っ張り出して頬ずりした。 「もう、当分会えないね…。」 「また会えるさ!」 そう言って兄貴は用意していたロケット花火に火を付けた。 花火はシュッという音と共に勢いよく空に向かって上がっていった。 それから兄貴は花火を何発も打ち上げた。 ふーこちゃんは夜空に上がっていく花火を嬉しそうに見上げていた。
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