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そうやって、一呼吸置いて落ち着いていたところで、ようやく俺の耳にテレビの声が届いた。
どうやら、パソコンに夢中になりすぎてテレビが点いていたことに気づかなかったようだ。
ちょうどいいから夜のニュースでも見るか、と思った矢先に、速報が入った。
どうやら、物理学者たち念願の探査船、「ブレインズ8号」に関する速報のようだった。
そしてその速報を聞いて、俺は驚愕した。
何ということだ。こんなこと、あってはならない。
言いようのない悔しさが俺を揺さぶった。
曰く、ブレインズ8号が、目的の地点に到達する直前で音信不通になったのだと言う。
かすかな「緊急事態信号」を受信したのを最後に、通信が途絶えたのだと言う。
専門家は、「恐らく何らかの物体が衝突して、大破したのではないか」と話した。
世界中の科学者が、眠れない夜を過ごすのだろうと思うと、俺はやりきれない気持ちになった。
専門家はこう続けた。
「もしも目的のデータが得られていたら・・・人類は宇宙の構造を解明し、さらなる高みに登れたかもしれない。」
「次の探査船こそは、目的を果たして欲しい。非常に残念です。」
そして、こう締めくくった。
「神への挑戦に、敗れた。」
俺はこの言葉を聞いた瞬間、脳髄にヒビが入ったかのような衝撃を覚えた。
今まで、全く考えもしなかった事実に、気がついたのである。
思わず「そうか!!」と大声をあげてしまった。
ブレインズ9号だろうが10号だろうが、無駄だ!
すべて無駄だ!
すごいことに気づいてしまった!
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