赤の約束

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「うああああああ!」 悲痛な叫びが鼓膜を震わせた時に、俺は自分の頭から血の気が引くのを感じた。 「旦那……!」 今は敵に囲まれていたが、それはどうでも良かった。 主の声のする方向に注意が向いて、俺は無防備になって。 「かかれっ!」 ドフ ザクッ 「……っ…」 足元に溜まる血に気がつくと、遅れて鈍い痛みが襲ってきた。 敵が前から後ろから、俺の体を太刀で貫いている。
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