赤の約束

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忍だって人間だ。 今自分が致命傷を負ってる事くらい知っていた。 一歩進むごとに、割れた茶碗から水が漏れているかのように血を失った。 でも、自分の主… 「真田の旦那」こと 真田源二郎幸村に会うまでは死ねないと思った。 それまでの時間生きる事が使命だと。 結局旦那は半里ほど離れた、岩場に倒れていた。 「…っ…さ…、…す…」 見たくなかった。 旦那の顔は見たかったけど、こんなに変わり果てた姿は見たくなかった。 旦那は鉄砲で胸を撃たれていた。 顔面は蒼白で、血まみれの唇が何度も震えて、俺の名前を紡ごうと動く。 「……さ…す…け…」
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