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俺とバカ岡のやり取りを見ていたクラスのヤンキーもどよどよとざわついている。
めっちゃ楽しい。
バカ岡に意味わかんねぇとか言われたが、本来の俺はこんな感じだし…。
でも、なんか説明するのも面倒だし、それにみんなの反応が楽しいので黙っておこう。
「花岡、悪かったよ。手加減したつもりなんだけど、痛かった?」
俺がわざと心配するようにバカ岡の顔を覗き込むと、バカ岡は眉間に皺を寄せてムッとした。
「こ…こんなもん、痛くもかゆくもねぇよ!!それに呼び捨てにすんじゃねぇっ。下っ端のくせに!」
「あー、だって、俺もうお前の下っ端でもパシリでもないし、ただのクラスメイトだろ?」
俺は髪をボリボリ掻きながら、言い放つ。
いや、むしろ今はじゃっかん俺の方が優勢だ。
バカ岡もその事を少し分かってきているようだ。自分より俺の方が強いのだと。
だって、いつものバカ岡と違って、なんだか弱々しげだ。
なんか弱々しくて可愛いと思ってしまった。やばい。俺にソッチの気はないぞ。
「な…なんだとぉ…!?」
「落ち着けよ、怒らない怒らない」
「バカにしてんのかっ!!」
宥めるようにバカ岡の頭をぐりぐりと撫でたら、バカ岡に思い切り手を払いのけられる。
それと同時に、教室に誰かが入ってきた。
その人物は、このクラスのボス・樋口だ。
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