これは革命だ

5/14
前へ
/96ページ
次へ
「…あ?なんだ、テメーら…」 樋口は教室内に漂う異様な雰囲気に気付いたのだろうか、足を止めて俺たちに顔を向ける。 「樋口君、森田のやつが…むぐ」 おっと!俺は、樋口に告げ口しようとしたバカ岡の口を手で塞ぐ。 先にネタばらしされては面白くない。 いつもどこでもどんな時もクールなあの樋口の驚く顔を見れるかもしれないチャンスなのに。 俺に口を塞がれているバカ岡が、んーんーと唸っている。面白い。 俺はバカ岡の口を塞いだまま、樋口に顔を向けた。 「あのさ、樋口」 俺がそう言うと、樋口はぴくりと眉を動かし、俺に視線を向ける。 いや、さすがに樋口グループのボスだ。バカ岡とは違って、なんだか貫禄があるなぁ。 下っ端パシリだった俺に違和感は感じているだろうが、落ち着いている。 「ああ?…なんだ?」 「俺の下につく気はない?森田グループに入ってくれよ。今、俺と花岡だけなんだ」 「むぐ!?むうー!!」 俺の森田グループ発言に、黙っていたバカ岡が再びむぐむぐ唸りだした。 お前ちょっと大人しくしてろ。 「無ェな」 しかし即答で言い放つ樋口。そして自分の席にさっさと行ってしまう樋口。 ですよねー! だめもとで聞いてみたが、やっぱりだよ…。 しかし出来る事なら暴力は避けたい。 そういえば今気付いたが、俺って樋口とまともな会話をした事がないな…。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1161人が本棚に入れています
本棚に追加