キングの目覚め

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俺は購買で買った焼きそばパンとメロンパンを手に、自販機の前に突っ立っていた。 えーと、なんだっけ?イチゴミルクとアイスコーヒーと…。 しかし、大学進学のためとはいえ、他人の言いなりになるのはやはり腹が立つなぁ。 いや…我慢だ。苦行に耐えてきたこの1年間が無駄になってしまう。 「おい、通れねぇんだけど…」 横から急に声を掛けられ、俺は驚いたように声がした方に顔を向けた。 ド金髪の頭にバンダナを巻き、いかにも強そうな男が立っている。 しかも耳や腕、首に骸骨のデザインのアクセサリーをじゃらじゃら着けている。『俺に触れると、ケガするぜ』的な感じだ。 なんかコテコテのヤンキー過ぎて笑えるぞ。 「あっ、サーセン!どうぞどうぞ、遠慮なく通って下さい、どうぞ」 俺はヘラッとした笑みを向けながら、その男が通れるように道を譲った。 そのコテコテヤンキーは、俺を情けない奴だとでも言いたげな視線を送り、俺の横を通り過ぎていく。 ちょっとイラッとしたが、我慢、我慢…。大学進学のためだ! しかし、今の奴はたしか同じ学年の…えーと、名前が分からん。まぁ、いいか。関わってもろくな事にならないし。 おっと!それより早く教室に戻らないと、キレられそうだ。 俺は自販機でジュースを購入し、足早に教室に向かった。
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