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色々寄り道をして、夕方過ぎに家に帰宅すると、両親が総出で俺の帰りを待っていた。
ん?いつも父ちゃんが帰ってくるのは夜中なのに。
居間にちょこん、と小さく座る父ちゃんと母ちゃん…。
「ふ、二人とも、ど、どうしたんだ?」
俺が目を丸くさせながら、二人を交互に見ると、母ちゃんがポツリと呟いた。
「お父さんが、リストラされたの…」
「な、なんだってええええ!?」
母ちゃんの言葉に俺は叫ぶ。父ちゃんを見てみると、悲しそうな表情をしていた。なんだか見てられない…。
そして、整理できてない俺に、父ちゃんと母ちゃんは申し訳なさそうに説明してきた。
その説明というのもどうやら、父ちゃんの仕事がなくなったため、俺を大学に行かせてやれないというものだった。
父ちゃんはどこかでアルバイトをして、母ちゃんがパートに出ても、生活するのがいっぱいいっぱいで、とても俺を大学に行かせる余裕がないらしい。
かと言って奨学金が貰えるほど、俺の頭は良くない。
高校を卒業したら就職…だと…?
夢のキャンパスライフがあああ!!
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