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早く席替えなんねぇかなー。
ハァァーァー……
俺はわざと大きなため息をつき、頬杖をついて、斜め前の席とは反対方向の窓の外に視線を向ける。
高校になって、初めての夏。開いた窓から見えた桜の木には、緑の葉っぱがたくさんついて、サワサワと風に揺られている。
今日はまだ涼しいなぁと思って視線を黒板の方に戻す。
すると、黒板に視線がいくより前に、斜め前のあいつに意識がいく。
……あー、早く席替えなんねぇかなー。
俺は中田雄馬。俺は
その…生まれて初めて
恋ってやつをしている。
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