月の満ちた夜に

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『お願いしま~す』 詩音が手を上げボーイを呼ぶ。 ボーイ…黒服。 キャバクラには必然として当たり前のようにいる黒服。 黒服は詩音の上げた手に挟まれてる紙を取りに行く。 オーダーチケットだ。 飲み物や食べ物を頼むのにキャストが手書きで書いた注文表。 詩音の右手に2枚ほど挟まれてる。 黒服が受けとったオーダーチケットは2枚あった。 カルアミルク。 チーズ盛り合わせ。 綺麗でも汚くもない字で書かれていて下には詩音と書いてある。 『ちょっと濃い目にね』 詩音が黒服に言う。 ここ新宿歌舞伎町。 死に急ぐ者。 ホームレス。 スカウトマンにホスト。 風俗嬢にキャバクラ嬢。 そんか色々な人達の入り乱れる街でキャバクラCielでナンバー3には入る詩音は今日も出勤していつものように接客だ。
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