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「じゃあ改めてこんにちは。赤野忍、20才です」
「あ、どうも。赤野忍、15才っす」
なんというか、年上だ。
それが自分自身だと理解したとはいえ、その年齢差は大きい気がした。
俺もその内、二十歳にもなるんだよなぁ、なんて思っていると、彼はにっと笑って話し始めた。
「まぁ、俺も道楽の過去旅行で来たわけではない。お前に用事があんだよ」
「はぁ…」
5年経ったらタイムマシンが出来ていて、道楽感覚で時間旅行が出来るらしい。
すげぇな…。
だが寝起きの頭で聞いていた俺に、彼こと俺はとんでもない事を言い出した。
「今日お前、吉野に告白するから」
「…………………………………は?」
は?は?は?はぁ!!?
思わず俺は布団から立ち上がった。
「な!?ななな何言ってんだお前!!吉野って吉野恵?あ、あ、あいつに告白!?するわけねぇし!!」
「美人だろ?」
「知ってるよ!!大人気だよ!!でも俺…」
「神崎が好きなんだろ?」
「知ってんじゃねぇよ!!」
息荒く朝から叫ぶもんじゃない。
俺はぐったりと布団の上にまた座った。
……顔が熱い。
神崎も吉野も俺と同じクラスの女子で、二人共男子に人気だが、吉野の方が上だろう。でも俺は神崎派だった。
「……で?どうなんの?」
「お前には今日、彼女が出来る」
「………………喜んで良いのか分かんない」
「だろうな」
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