~さまよい続ける人よ~

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巧「とりあえず、状況が状況ですけどあなたのこと教えていただけませんか。」 少女は一瞬ぽかんとしたが、 ユーレイ「そういえばそうね。自己紹介がまだだったね。私は三年前のある事故で死んだ、あお…いや、赤内 ゆう(あかうち ゆう)よ。」 巧「ゆう?どっかで聞いた名前だな~。なんか懐かしいような…」 ゆう「あんまり気にしないで!」 巧「はぁ…。えっと、そろそろ放してもらえるとうれしいような。寂しいような…」 ゆう「…そうだったわね…。わかったわ。」 少女は手を放してくれた。なんか残念な気持ちだな。 ゆう「じゃあ私は帰るから。」 巧「帰るってどこに?」 ゆう「家に決まってるでしょ!」 巧「あれ?ユーレイは天国か地獄に行くのじゃないの?」 ゆう「あぁ、それ生きている人が言っていることね。違うわ。実際天国も地獄もないの。この世界に未練を残したら、このままこの世界に残るわ。でも未練もなく、なんの後悔もなかったら、早く生まれ変わるわ。」 巧「へーーー!そうなんだ!そんな感じになっているんだな。」 ゆう「でも、その中でも特殊な人もいるわ。」 少女は悲しい顔になり、 ゆう「会いたい人に会えなくて、そのまま死んでしまうっていうのも、この世にないことはない。実際私だって…」 と言ったところで、はっとなって、 ゆう「いや!なんでもない!!気にしないで!!!」 巧「はっはい!」 突然大声で言ったので声が裏返ってしまった。なんなんだ?まったく。 ゆう「とにかく今言ったことは忘れること。い・い・わ・ね!」 巧「わかりました。」 まったくよくあいつに似ている。 ゆう「じゃーね。」 巧「あ、待って。」 ゆう「…なに?」 巧「あなたは何歳ですか?」 少女は笑って、 ゆう「次に会ったら教えてあげる♪」 オレは、少女が去っていくのを見ていて、 巧「結局話すだけ話して、すぐ帰るのは、ほんとあいつみたいだな。『ゆう』…っかまさかな…」 そお思いながら、ふと時計に目をやると 巧「げっやば!」 と巧は門限を思い出しながら自宅へ走って行った。
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