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「松岡、送ってくよ」
部活の帰り、同級生の鶴岡武が声をかけてきた。
「あ、武。サンキュー」
肩を並べて歩く二人は、なかなか良い雰囲気だ。
「雅美さん。お帰り」
途中、交番から警官が声をかけた。
「ただいま。お疲れさまです」
「彼氏かい?熱いね」
「ち…違いますよ。遅くなっちゃったから、同級生に送ってもらったんです。失礼します!」
思わぬ言葉に雅美は顔が真っ赤になるのを感じた。
「あのお巡りと仲良いの?」
「いっつも前通るから、挨拶してるだけだよ。何?武ったら妬いてるん?」
「ば…違げーよ!」
そんなやりとりを、警官は目を細めて見ていた。
雅美の身に異変が起こるのは、この直後の話。
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