謎の獣

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両親は何針も縫う大怪我で、しばらくの入院を余儀なくされた。 両親の着替えを取りに家へ帰ると、一人の警官が訪れた。 「あ…お疲れさまです」 「雅美さん。大変だったね。しばらく、警備をする事になったんだ。まだ獣は捕まってないからね…。大竹 宏です。よろしく」 「宜しくお願いします。着替えを両親に届けてきますので…失礼します」 小走りに去る雅美の後ろ姿を大竹は心配そうに見つめていた。                     「雅美…ごめんね。ちゃんと食べてるの?」 順調に回復をしている母親が雅美を気遣って言った。 「母さんったら、何言ってんのよ。いつも、美智が食事を作って待っててくれてるんだ。母さんの鍵を渡してあんの…だから心配しないで、早く治してね」 雅美は、そう言って母親に心配かけまいと無理矢理笑顔を作った。
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