⑨ 元親衛隊隊長と元人気者

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『で、本題に戻るけれど、僕は君に殺されればいいんだよね?海とか空とか遠い言い回ししないでよ。焦れったいなぁ。』 ゆらゆらと左右に揺れながら海はナイフの先を楽しそうに眺める。 一人は嫌だ。と、僕は言ったけれど人は一人で生きて勝手に死ぬんだよね。 本質を言うと、人は最初から最後まで一人で何が寂しいのか、虚しいのか…それを何かで埋めようとしてるんだよね。 つまり、それは愛でも憎しみでも悲しみでも良いわけだよ。 だって埋めるだけだもの。 他の用途はどうでもいい。 埋まりさえすれば、なんでも良いんだよ。 実際に僕は彼方という虚無感を埋めるために誰かも分からない…確信もない、人殺しを恨んだ。 虚無感は憎しみで埋まった。 つまり、彼はまだそれを埋めていない。 だから、不安定で歪でガタガタだ。 それを、僕が埋め直しても何の問題もないよね?
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