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2016年7月のアフガニスタンの戦況はアメリカにとって悪化の一途をたどっていた。
原因は幾つかあるが最も大きな要因はゲリラの武装の近代化である。
さすがに戦車やヘリ等の重火器は装備していないが、小火器、特に個人携帯用の地対空ミサイルがアメリカ陸軍のスティンガー並の性能を発揮しており、ロシアや中国からの供与が疑われている。
マコビック自身もこの新型ミサイルに追い回された経験があり、今回の飛行でも海兵隊員に備え付けの窓から地上への監視を頼んでいる。
海兵隊員も戦友の乗り込んだオスプレイⅡが撃墜され、自身の乗ったオスプレイⅡが一度でも襲われたならば自然と窓の外を見るようになる。
いつもならミサイルに狙われれば接近警報が出されるが、レーダーが使用不能なためこれも使い物にならない。つまり目での監視しか生き残る術が無いのだ。
暗視装置を着けた海兵隊員の目がまばたきも忘れて窓の外の闇に向けられていた。
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