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「いいわ! その呆れ顔を青ざめさせてやる! んんっ!!」
咳払いしてから、腰に手をやり胸を張った状態になったステラ。ここから何をするんだ?
「改めて自己紹介するわ。私は、《ステラ・ファブリック》。この国を統治するファブリック家の姫よ」
はい? 姫・・・?
姫って・・・えーっと・・・・・・お姫さま?
・・・・・・アホらしい。
姫様がこんな荒野にいるわけない。
むしろ、姫様が泥棒ってなんだよ。
俺の反応が気に障ったのか、腰のポーチをガサガサあさり、拳ほどはあろう赤色の宝石を、俺の顔に向かって腕を伸ばす。
「これを見ても同じ反応が出来るかしら!?」
何だそれ?
そう言おうとしたとき。
「伏せろ!!」
オルガが、ステラを抱いて、地面へ転がった瞬間、まばゆい閃光の嵐と轟音が家に降り注いだ。
「出てこい! クソヤロー! 俺の子分が世話になったみたいだな!」
閃光の嵐と轟音は、銃による射撃のようだ。
まったく、お礼参りとはご丁寧なことだ。
「んっ?・・・・・・あーー!!俺の家がー!!」
正確にはだだの無人の家を無断で借りてるだけなのだが。
今の射撃の嵐で、全壊寸前である。
「このパーティー代は高くつくぞ!」
せっかく見つけた宿屋をボロボロにしやがって。
オルガは、立ち上がって外へ出る。
「何が、パーティー代は高くつくだ! テメェー等、やっちまえ!」
銃口が一斉にオルガへ向けられた。
「撃てーー!!!」
一斉に放たれた銃弾の嵐は、真っ直ぐオルガへ飛んで行く。
「はははははぁーー!!木っ端微塵だぁ!パーティー代が高くついたのはテメェーだったなぁ!」
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