始まりの出会い

9/18

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
地面を蹴り、大男の顔面に拳を叩きつけると大男と敵グループが鉄甲から噴き出す爆発に巻き込まれて吹き飛び、地面からは火柱が立ち上る。 「うぁぁあぉぁあ!!」 「これでパーティーはお開きだ!」 吹き飛んだ敵グループは10m程の地面へ落下し、プスプスと煙をあげている。 やれやれ・・・家、どうしょうか・・・。 ま、どうでもいいか。俺の家じゃねぇし。 「あなたもフレイム・リンカーだったのね・・・しかも一発で、倒しちゃうなんて」 「姫様に誉めてもらえるのは光栄だね。 ってか(あなたも)って事は、お嬢ちゃんもフレイム・リンカーか。 なら自分で倒せよ」 ステラはムッとした表情になり。 「出来たなら自分やるわよ!」 「温室育ちのお姫さまだからか?」 「うるさい! それに、やっぱり信じてないわね! なら、これ見なさいよ!」 ステラは、先ほど握っていた宝石を見せてきた。 「だから、これがどうした? 確かにデカい宝石だが・・・・・・んっ?」 ステラが持っている宝石。よくよく見ると、どこかで見たことがある。 「気がついた? これはアクス・フレイムの結晶よ!」 アクス・フレイムは特殊な行程で精製され、人体に注入する事で魔法を発動出来る。 しかし、アクス・フレイムの鉱石は発掘が難しく、1gだけでもかなりの金額になる。 更に、鉱石の純度、密度が高い物を結晶と呼ぶ。 それの拳ほどの結晶となれば、どんな金額になるか分からない。 そこで俺はあることを思い出した。 「そうか・・・思い出したぞ」 「近く町の中央にデカい銅像が、お嬢ちゃんと同じ物を持っていたな。」 ステラは腰に手を当て、えっへん! と言わんばかりの態度だ。 「どう! これでわかったでしょ! 私がファブリック家の姫って事が!」 んーー・・・・・・本当に姫様なのか? 「なら、何で姫様がこんな荒野に? しかも、泥棒までして」 「それは・・・その・・・・・・」 ギクリと言わんばかりの表情でそっぽを向いてしまった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加