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「お嬢ちゃん。このあと、どうすんだ?」
「それは・・・」
襲撃され、一人で逃げて、俺に助けを求めた。 って事は、今、この場で頼れるのは俺だけだ。
「お願い! 私をファブリック国まで連れて行って!」
と、まぁ、こうなるわな・・・。
ファブリックは、ここから東へ120km程ある。
いつもなら断るところだが・・・。
この際、姫様とかどうでもいいか。興味ないし。
「運がいいな。お嬢ちゃん」
「えっ!?」
「俺は、その雷野郎に用事がある。 そのついでに家まで連れて行ってやるよ」
ステラは、パンと手を鳴らし、笑顔を作り。
「ありがとうね! でも、一ついいかしら?」
今度は俺が首を傾げて、お嬢ちゃんの言葉を待った。
「お嬢ちゃんじゃなくて私は、ステラよ!」
「へいへい、そんじゃ、行くぞステラ」
「えっ!? ここで寝ないの?」
キョトンとした顔したステラが俺の後に続いて家を出る。 そして、俺は、そのへんにあった小石を拾った。
「倒壊する家で寝たいなら止めないぜ」
そう言って、小石を家に放り投げ、家の壁にコッンと当たると木材で出来た家はバキバキと音を立てて倒壊した。
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