プロローグ

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ここは、モルド大陸。 そこは、荒廃した世界。 争い、戦争で壊れた世界。 俺の着てる茶色いマントとフードが、歩きに合わせなびく。 そこは、夜の荒野。 「この先か・・・」 俺が見た方向には、ライトが当たり、白い壁が見える。 どうやら建物があるようだが、周りには他の建物がない。 何もない荒野にぽつんと一軒だけ建っている。 一軒と言っても東京ドーム2個くらいある。 ちなみに、今、説明のため比較した東京ドームは、今の時代では、日本が攻撃された際に日本列島と共に消滅していると言われる。 そこにあるのは、とある実験のための施設。 ライトの光が動いている所を見るとどうやら監視がいるようで、動くライトの一つが闇夜に紛れ、近づこうとする俺へ向けられた。 俺を発見した男が、スピーカーのような物で声を上げる。 「そこのヤツ! 止まれ! ここから先は私有地である! これ以上近づくなら発砲する!」 しかし、俺は歩く。 従う気は、さらさら無い。 「もう一度通告する・・・!」 あちらからの警告は続くが、構わず前に進む。 「最後通告である!! これ以上近づくなら発砲する!!」 最後の警告・・・・・・建物の方角から銃を構える音が聞こえ、銃口がこちらを向いているのがわかる。 そして、夜の荒野に、「撃て」という一声がやけにはっきりと聞こえ、放たれた無数の銃弾により、貫かれる茶色いマント。 風穴だらけのマントが力なく倒れるが、その倒れ方は人の物ではなかった。 「なに!?」 そのマントは、地面に倒れてるが中身がない。 布が地面に落ちているだけなのだ。 では、中身はどこにいったのか。 「んっ? あれは・・・?」 発砲した一人が、空を見ると、そこには、一段と光る星が目についた。しかし、星にしては、あまりに明るく、あまりに赤く、そして、徐々に大きくなっていく。
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