始まりの出会い

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「テ、テメェ!」 三人目は、二人やられてるせいか、俺に拳を振るうが、力み過ぎだ。 拳が遅い。 振り抜いた右足の勢いを残したまま、体を反転させて、三人目の左脇腹へ回し蹴り。 ミシッ、と肋骨が軋む感覚が足へ伝わる。 更に、軸足の左足から腰、そして右足へ力を伝え、三人目の男を蹴り抜き、隣に立つ四人目の男ごと壁に激突させる。 残りは一人。 五人目の男は、戦意喪失の表情だ。 足がすくみ、腰から砕け、頭を両手で覆った。 これで俺の勝ちは決まったが・・・。 まだだ、まだ終わりではない。 俺は、足を床に戻し、震える男の胸ぐらを左手で掴み上げる。 そして、右手を振り上げた。 男は、震える手をブンブンと振り、俺の手から逃れようとする。 しかし、手は離れない。 そうなると男に出来るのは「助けてくれ」。 そう、許しをこうだけだ。 「た、助けてくれ! 俺たち、お、俺たちが悪か、かった!」 まったく、調子のいい連中だ。  「テメェ、俺の事を確か「殺っちまおう」って言ってたよな! てことは殺されても文句はねぇよな!」
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