始まりの出会い

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「こんな夜更けに何してんだ? お嬢ちゃん?」 どこが紳士だ! と自分でも思うが、俺の中では、お嬢ちゃんと呼べたのが限界だ。 そもそも、こんな荒野に紳士がいたら逆に怪しい。 「あ、あんた、私を助けなさいよ・・・!」 いきなり何言ってんだ? と思ったが、荒い呼吸、泥だらけの服、特に足元がひどいことから何となく想像がついた。 「ヘヘヘ、逃げ場は無いぞ!」 女性を追いかけて来た連中が、家に入って来た。 「何だ? 今日は団体客だな」 入って来た連中を見ると、どうやらその辺のゴロツキみたいだ。 「あん? 何だテメェ?」 ゴロツキは、女だけだと思っていたが、もう一人いることに気づき、問いかける。 「俺か? 俺は、この家を今日の寝床にしようとしてる者だよ」 「旅人か? ちょうどいい! 旅人ならば金目の物と食料を持っているだろ! よこしな!」 ゴロツキ達は、俺を運の無いカモがいるぞと言わんばかりの表情で見ている。 「いきなり押しかけといて、随分な言いようだな」 その場に立ったままで男達を見る。そこへ・・・ 「ちょっと、あんた!さっさとアイツ等を倒してよ!」 女性が俺に近づく。どうやらこの女性は、俺ことオルガ君に助けを求めているみたいだが・・・・・・助けを求めるにしては強気と言わざるを得ない。 「おい!変な気を起こすなよ!この人数に勝てると思ってんのか!?」 ゴロツキ達は、各々ナイフなどの武器を出す。 どうやら、フレイム・リンカーいないようだ。 はぁー・・・やれやれだぜ・・・。 オルガは、めんどくさいと言わんばかりに頭をボリボリかき、ゆっくりとゴロツキ達に向かって歩き出した。 「いいぜ。相手になってやるよ」 3分後・・・。   「いっちょ上がりっと!」 パンパンと手を払い、ゴロツキを全員、外へ放り出し、家のドアから顔を出し。 「次からは、相手選んで喧嘩しろよー!」 ゴロツキ達は、覚えとけよー! と、定番のセリフを残し、去っていった。
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