可憐な花

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 『私はもう治らないかもしれない』  そう思ったのはたぶん十三回目の入院をした時だったと思う。  私は生まれたときから身体が弱かった。何回も何回も入退院を繰り返していた。  そして、今やっと……二十五回目を終えたところだ。  こんなに入退院を繰り返しているので、学校にもあまり行けず友達もいなかった。  四回目の退院後には、そこに私の居場所は無く、それからは退院しても家で退屈な毎日を過ごすと思っていた。
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