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ふと思う。
どうせなら、明日に姪を朝一に“椿さん”にでも連れてって、帰りに久しぶりに会いに行こうと思う。
ついでに自分もそこに泊まればいいことだし、“兄”にはメールで連絡すればいいやと、携帯電話を取り出した。
出てきたのは、ボロボロの携帯電話。
メールを早打ちしながら、桜に言う。
「桜~、予定変更~」
「?」
パチンと閉じて、ニッコリ笑う。
「朝一に“椿さん”に、参拝しにいって、その足で大きいじいちゃんのとこ、行こ!」
「へ?」
突拍子もない事を言い出して、「お父さん達をもっと、心配させたろ?」と、いたずらっ子のように笑う。
「…うん」
静かにうなずく姪に、デコピンを食らわして百合は言う。
「新年早々、凹むな!」
「痛いよ、百合ちゃ~ん」
「全く…。
あ、せや!
明日は蘭おばちゃんおるか、聴いてみよ~」
能天気に、またメールする。
「…」
それを眺めて、桜はお茶を飲みながら、今まで疑問に思っていたことを口にする。
「…なんでみんな、“花の名前”なん?」
「ん?」
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