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バーベキューは結局夜9時ごろまで行われ、そのあとは家の中で色んな話をした。
翔は翔愛を腕に抱えたまま眠ったらしく、リビングには大人な時間が流れていた。
「子供二人寝たな」
「そうだねぇ。ちょっと布団大丈夫か見てくるね」
「手がかかるね、愛ちゃん・・・」
陸に言われて愛はニコリと微笑むと、寝室へ行った。
「そういえばさ、俺この仕事やって分かったんだけど、翔って奇跡なんだなって思ったよ」
「え?」
「いや、俺が研修医でお世話になった病院に翔が入院してたときにいた看護士がさ、いたんだけど。
移植が成功する確率って低かったらしいんだ。
って言うのも、移植のために飛行機で渡米したじゃん。渡米したあとの危険度ってかなり高かったらしいんだわ」
「そうなんだ・・・」
「だから無事に移植受けられて、元気になって帰ってきた翔はすげー生命力だと思う。一つ心配なのは、とあがまだ小さいだろ?小さいうちは熱出しやすいし、免疫力も弱いから病気にかかったりする。
それが移ったりすると、翔の場合は感染症引き起こしやすくなるから。薬のせいでね」
「そっか・・・。だけど、もし万が一翔が感染症引き起こしたりしても、優が治してくれんだよな?」
「そんな医者になれるように、日々頑張ってるよ」
翔愛と眠る翔は、愛が見つめる中静かに笑った。
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