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「あ、お母さん!」
「こんにちはー愛ちゃん。体調どう?」
「おかげさまで、元気」
「まった来たのかよ。昨日も夜来たばっかじゃん!」
翔の母は毎日のように訪れて、野菜や果物、日用品などを持ってくる。
「ありがと~助かる!」
「そうそう、名前!考えたのよー見てこれ」
「もう良いって!俺らで考えてんだから」
来ると必ず子供の新しい名前を考えたと言って、紙を見せる。
一応目を通すものの、翔はこれと言ってピンと来るものはなかったようだ。
「なんでだよっ。優って」
「いいじゃない。優くん私好きよ?」
「おふくろの好みは聞いてねぇっつうの。大体優とふたり揃ったときどうすんだよ。どっち呼んでるか分かんなくなるだろ」
「・・・それもそうね。じゃあ、」
「良いって!」
翔と母のやり取りを見るのが、愛の楽しみでもあった。
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