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「どう?学校の方は」
「まあ、楽しいよ。って、毎日そればっか聞くんじゃねぇよ」
「気になるのよー。あんたもその気持ちがすぐ分かるわよ」
しばらく親子の会話をして、翔の母は帰って行った。
「あ、優からメール」
「なんて?」
「喜んで。とそっけねぇメールが一通。ま、いっか。来週の土曜日にでもやっか」
「だねー!」
優は医大を出て、現在医者になった。
挫けそうなときは、翔が入院していたときの写真を見るらしい。
「お前みたいに病気になった子、絶対治したい。治って退院するときに、結婚式は絶対呼べよ。って言うんだ」
優は翔にそう言った。
照れくさそうに笑った優に、翔は瞳を潤ませながら笑った。
「子供が体調崩しても、これで安心だわ。その辺のヤブ医者に診せるよりな」
「ヤブ医者と比べんなよ・・・」
親友。家族と同じくらい大事な親友は、今日もきっと聴診器をぶら下げて命と向き合っていることだろう。
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