1【再会を願って】

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ニーハイ丈のスリムブーツ。 これなら、いざとなったら泳げるし、とにかく動きやすいに越したことはない。 通りすがりのショップのウィンドウガラスでささっと髪を整えて、私は定刻通りのバスに飛び乗った。 行き先は、ククルーマウンテン! 「はあ……とうとう、このときがやってきたか……」 イルミに逢えるのは嬉しい。 正直、ずっとずっと待ち遠しかった。 でも、いきなり嫁に来いというのは、トモチカの言っていた通り急すぎる。 まずは、健全なお付き合いから始めさせて下さいと、しっかりお願いしないといけないな。 うん。 気持ちを新たに、山道をガタガタとバスに揺られていると、アニメでお馴染みのバスガイドさんがお仕事ボイスを張り上げた。 「みなさあ~~ん!あちらをご覧ください!あの山こそククルーマウンテン!言わずとしれた暗殺一家、ゾルディック家の私有地にそびえ立つ、標高3700メートルの山。この広大な敷地のどこかに、幻の暗殺一家が棲むと言われています。怖いですね~~!!」 そこの長男に、今まさに結婚を迫られている私がここにいますがナニか……? はあ……なんだか早くも鬱になってきたよ。 なんだこれ。 マリッジブルー?
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