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殺し屋の仕業だ!!」
「ゾルディックの幽霊だ――!!」
「バスを出せ、はやく!!!」
「こ、こ、こ、殺されるぅ――!!」
お化けが怖くて、はたして幻の殺し屋が殺せるものなのだろうか。
うーむ。
バスの入り口に寄って集って押しくらまんじゅうしている男どもを見つめていたら、ガイドのおねーさんがニッコリ笑って声をかけてきた。
「あの~~、貴女は乗らなくってもよろしいんですか?」
「ああ、はい。私はここに用があるので」
「……」
「大丈夫です。死にません」
するとガイドのおねーさんは、またまた笑みを深くして、
「さきほどは助けていただき、ありがとうございました。ご十分にお気をつけくださいね」
と、言い残した。
ガイドさん……恐るべし。
さすが、こんなツアーのコンダクターやってるだけのことはある。
さては念の使い手ではあるまいか。
まあいいや。
バスが去ったあと、私はてくてくと文の前を通りすぎて管理人小屋に向かった。
「すみませーん、ゼブロさんおられますか?」
「はいはい?おりますけども、どちらさんですかな?」
おー!
生だ!
生ゼブロさん!
警備員姿のゼブロさんは、きょとん、とした顔で私を見た。
「初めまして。私、ポーと言います。数日前にイルミに呼ばれて来たんですけど、今、イルミいます?」
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