2【開けゴマ!試しの門!!】

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「試しの門が――」 バン! そのとき、リビングの扉が荒々しく開いて、親父が現れた。 俺を殴りにでも来たのかと思ったのだけれど、様子が違う。 「父さん。ただいま」 「ああ」 「母さんから話聴いた?」 「うむ。嫁を見つけたらしいな」 「うん。今、試しの門の前にいるんだけど、全部開けたら親父に会えるよって言ったら、全部開けるんだって頑張ってる最中」 「開くと思うのか?」 「どうだろうね。まともには無理だ。だから、なにか手を考えてくるんじゃないかな。ポーは試すのが好きだから」 「そうか」 と、言ったっきり、親父は筋肉隆々とした腕を組んだまま、獣のような鋭い眼差しで窓の外を見つめている。 バタバタバタバタドタドタドタドタ……。 「ミル、煩い」 汗だくになってリビングに駆け込んで来たのは次男のミルキだ。 あいかわらず、どこもかしこも太って丸い。ピンク色のワイシャツがいまにもはちきれそうで――実際、ボタンがいくつか弾けとんだ。 「あ、あ、あに、あに、兄貴、あれ……!!今、玄関のモニター見てたら……!!!!」 「ポーを見たのかよ、ミルキ!!」 「俺も見たい!ねえ、どんな念使ってた?」
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