3【重いものを動かすには?】

2/13
前へ
/146ページ
次へ
「ほんと――にすみませんでしたっっ!!!!!」 「謝らなくてもいいと言っているだろう。壊れる方が悪い」 「で、でも……あうう」 長い石造りの道を、シルバさんと二人で進んでいく。 試しの門を最後まで豪快に開いたはいいものの、長年雨ざらしだったためか蝶番部分がバッキリ折れてしまい、門扉が外れてとんでもない事態に。 もとに戻そうにも戻せなくて、半泣きになっているところにシルバさんが現れ(もちろん、その前に執事のゴトーさんたちが、青筋立ててやってきた。ズラリ)事なきを得た。 シルバさん……ああ、シルバさんシルバさん。 漫画ではビジュアルの渋かっこよさに酔いしれ、アニメでは低音美声の渋かっこよさに酔いしれた御方。 まさかまさか、こうして生でお会いできることがあろうとは。 感無量です。 怖いけど。 がっしりしてるのに、手や脚が長くて綺麗だからかな。 歩き方も、不思議と優雅で武骨さを感じない。 肩から流れるふわっふわの銀髪に見とれていたら、シルバさんはにこっと笑って私を見た。 「それに、もうそろそろアレも建て替える頃合いだと考えていたところだ。最近は来客も増えたからな。七枚では不足に感じていた。そう言
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加