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「ポー」
目の前を歩く大きな背中がある。
イルミだ。
イルミ!
呼び掛けると、イルミはゆっくりと私を振り返った。
「俺……友達はいらないけど、嫁としてならポーが欲しいな」
***
「わあ――――――っ!!!」
「うわっ!!?」
「な、なんだってんだ、いきなり!」
…………………あれ?
目を覚ますと、よくよく見知った調査船の中だった。
なんだか、妙に懐かしい夢を見ていた気がしたんだけど……しかも、無茶苦茶恥ずかしい夢を。
近くでひっくり返っているのは、現在私の勤める海洋研究大学の学生さん達だ。
マサヒラにトモチカにカラ。
彼ら三人は学生であると同時に、幻獣ハンター志望者でもある。
思い出すこと半年前。
あのハンター試験、三次試験のトリックタワーの中でサメを飼育していたおじさんたちに紹介してもらった、私にうってつけの仕事先。
それが、この大学での特別講師だったのだ。
試験合格後、イルミからとんでもないお誘いを受け、驚きのあまり考える間もなく頷いてしまった私。
いただいた時間は半年あった。
ゴンたちはキルアのご家族にご挨拶に行くために、さっそくパドキア共和国に向かったけ
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