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その後、コンバートは炎を纏う小鳥と契約し、レムは放電する猿と契約した。火の鳥と言っても不死鳥ではない。フレイムバードという鳥だ。鳥も猿も共にギルドランクCのそこそこの強さを持つ生物である。 「次はユウだね。」 「僕、応援してるよ!」 レムとコンバートがユウに言葉を掛ける。しかし、応援されても使い魔が強くなるわけではない。 「肩に力が入りすぎているぞ。大丈夫か?」 「あ、はい。大丈夫です。行ってきます。」 声を掛けようとしたウォーリアを差し置いて、ナビがユウの肩に手を置く。クラスメート達は、いや、この第一演習場にいる一部を除いた人間がユウの動向を見ている。魔力の無いユウが碌な使い魔を召喚できないと思っているからだ。 皆が皆、ユウを嘲笑うために彼女を見ている。 そんな視線を我慢し、魔法陣を上に立つユウ。 「…行きます。」 深呼吸の後、魔法陣に血を一滴垂らした。 魔法陣に血が付着した瞬間、 「キャッ!?」 「痛っ。」 第一演習場のすべてを呑みこむ程の光が魔法陣から放出される。光の中から男性の声が聞こえた。この小さな声を聞いたのは近くにいたユウくらいだろう。
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