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ある国に、それはそれは美しいお姫様がいました。 歩けば誰もが振り返るほど美しい人でした。 お姫様はいつもたくさんの人に結婚を申し込まれていました。 王様にも結婚をするように言われたお姫様でしたが、首を縦に振ることはありませんでした。 王様が自分のためにお姫様を結婚させようとしていることを知っていたからです。 ある日、王様は自分の言うことを聞かないお姫様を閉じ込めてしまいました。 一つだけある扉の前には兵士がいて出ることは出来ませんでした。 兵士はお姫様に気に入られようとして甘い言葉を掛ける者もいました。 お姫様は下心があるとわかった人間の話を聞かないようにしました。 閉じ込められてからお姫様は毎日泣いていました。 狭い部屋の中で泣いていました。 そんなお姫様を毎日慰める人がいました。 夜の間、毎日お姫様の部屋の扉の番をしている兵士です。 その兵士はお姫様の悩みを聞いてくれました。 その兵士だけは間違ったことをしようとするお姫様を叱ってくれました。 お姫様はいつの間にか兵士のことが好きになっていました。 お姫様はただ話せるだけで幸せでした。 いつの間にか泣かないようになっていました。 しかし、そんな幸せは長くは続きませんでした。 しばらく過ぎた日のことです。 夜になり、お姫様はいつものように兵士を待っていました。 その日、見張りの仕事に就いたのは他の兵士でした。 次の日も、その次の日も他の兵士が来ました。 数日が経ち、お姫様は思い切って彼の代わりに来た兵士に聞いてみました。 その兵士が言うには他の持ち場に移った、とのことでした。 またお姫様は一人で泣くようになりました。
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