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「…早く自分で制御してくれないかな。俺がいつまでも魔力を操作するの嫌なんだけど。」
「あ!ごめんなさい!」
魔力に見惚れていたユウは慌てて魔力を操作しようと集中する。
「…どうやるんですか?」
「粘土捏ねる感じ。図画工作と大して変わんないよ。」
即答する男。すると徐々にユウの中に魔力が入り込み始める。
「…ふぅ。」
すべての魔力が彼女の中に入り込むと同時に、彼女は座りこんでしまった。よほど疲れてしまったらしい。そんな彼女に手を差し伸べる男。
「じゃ、契約しようか。」
「どうやるんですか?私、戦えませんよ?戦ったことなんて無いですし。」
ニヒルな笑顔を浮かべている男に対して、不安の色を隠せないユウ。そう返ってくることを予期していたかのように笑う男。
「大丈夫。俺を呼べたってことは、それだけの才の持ち主だと言うことだからな。俺、熾天使だし。さ、早く俺の右手に魔力を流してくれ。そうすれば契約完了だ。」
早くしろと言わんばかりに、男の背中にくっついているメルトも激しく頷く。
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