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「え、えっと…それじゃあ、お願いします。」 戸惑いながらも男の右手を取り、立ち上がった後で魔力を流すユウ。すると、今まで鈍く光っていた足下の魔法陣が、一瞬だけ強く光って消えた。 「契約完了ー。よし、自己紹介をしよう。」 ナビは漸くかとでも言いたいように溜め息を吐く。 「俺は天崎渡。この国に合わせた言い方だと、ワタル・アマザキ。背中にいるメルトの父で、そこのナビ・ブレイバーの友だ。たぶん君の父でもあると思う。」 次に豆鉄砲をくらった鳩のような顔になるのは、渡とメルト、それからナビを除いた会場すべての人間の番だった。 「…たぶんじゃ…ない。……お父さんの…娘。」 「お?そうなの?そうらしい。」 背中のメルトの言葉をそのままユウに流す渡。 「ま、そんな感じだ。よろしく。」 「は、はぁ。」 適当な渡の言葉に、曖昧な返事しか出来ないユウ。 この日から、いや、この渡を召喚した瞬間から、ユウの人生は大きく変わり始める。
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