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現在高校二年生の私。家に両親はおらず、兄ちゃんと一軒家で二人暮らし。お父さんもお母さんも海外で仕事。お父さんが台湾で、お母さんがロンドンだったかな? 私の登下校は電車だ。だから、いつものように電車に乗る私。部活が終わった後だからサラリーマン風の人が随分と多い。私みたいな学生もいるみたいだけど。 それにしても。最近の私は何をしても上手くいかない。部活動でもみんなに迷惑を掛けてしまうし、入学当初は良かった成績も今では中の下だ。 なんかこう、私が一気に変われるような事とか起きないかな~。なんちゃって。普通の中に時々刺激ってのが一番だよね。 うぇ!?ちょっ、後ろからお尻に何か…。これって痴漢!?いきなり刺激来ちゃったよ!! よし、ここで守りに入ったら痴漢に何されるかわかったもんじゃない。痴漢さん、私の平和のために犠牲になってくれ!! 「この人、痴漢です!!」 お尻に当たる何か(たぶん手)を思い切り持ち上げる私。周りの人がみんなこっちを向いている。さらばだ、痴漢。 「あの、それ明日の朝ごはんなんですけど…。」 ん?あ、私の後ろに男の子がいたんだ。気付かなかった。右手で吊皮を掴んでいて、左手には買い物袋をぶら下げてる。私より背が高くて、割と好みのタイプかな。 …朝ごはん? 私はなんでフランスパンを誇らしげに掲げているの?手じゃなかったっけ?…あれぇ? 「あの、フランスパン…。」 「あ、ごめんなさい。返します。」 あー、もう!勘違い!恥ずかしい!周りの人笑ってるじゃん!おっさん、微笑むな! 「私のせいで笑い者になっちゃいましたね。ごめんなさい!」 「いえ、僕の方もすみません。ぶつかってたんですね。今度から気を付けます。」 いい子だ!この子いい子だ! あ、駅に着いた。降りないと。
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