第1章 死神、出会う

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ことはなかった。 先ほど、確かに淵に足をかけて、足を離したはずなのに、今はコンクリートの淵の目の前にいる。 「え・・・?」 なにが起きたの? しかし、紗香はすぐに我に返った。 小さく息を吸って、うん、私は、大丈夫。 さっきのは何かの錯覚だ。 淵に足をかけ、両足を揃えて、ぴょんと軽く飛ぶように踵から足を離して、道路に目掛けて真っ直ぐ落ちるー・・・ すぐに今まで感じたことのない強風が襲ってー…
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